スギ花粉症・ダニアレルギーの
舌下免疫療法
舌下免疫療法とは
アレルゲン免疫療法の一つで、アレルギー症状の原因となる物質(アレルゲンと呼びます)・・・この場合、スギ花粉やダニから作られた製剤を毎日、少量ずつ舌の下に置く(舌下投与といいます)ことにより、徐々に体を慣らしていきます。辛いアレルギー症状を和らげ、根本的な体質改善も期待できる治療法です。
治療の対象となるのはどのような方ですか?
スギ花粉症あるいはダニアレルギーであることが確実に診断されている方です。治療開始前に血液検査等で確定診断を行う必要があります。
小さいお子様は、製剤を一定時間舌の下に保持してから飲み込むということが難しいため、おおむね6歳以上からが治療対象となると考えています。
また、長期(3-5年)の治療が必要であるため、アレルギー症状を緩和したいという強い意志をお持ちで、根気のある方に向いています。
舌下免疫療法を行えない場合がありますか?
使用する薬剤(シダキュア、ミティキュア)の投与によりショックを起こしたことのある方、重症の喘息患者さんは本療法を行えません。
また、スギ花粉の飛散期には治療を開始できません。
治療期間および効果は?
通常3~5年間の継続治療が勧められています。辛いアレルギー症状を軽減し、日常生活の質が向上すること、抗アレルギー剤の使用量を減らすことが期待できます。(効果の程度には個人差があり、残念ながら全ての方に効果が期待できるわけではありません)
副作用はありますか?
アレルギーの原因物質を投与するため、口の中の腫れや痒み、唇の腫れ、喉の違和感や不快感、耳の痒みなどが比較的多くみられます。特に毎日の服用後30分、治療開始初期、スギ花粉の飛散期は症状の出現に気を付けます。また、服用の前後2時間程度は、入浴や激しい運動を控えます。
重篤な副作用として、アナフィラキシーやショックなどが稀に報告されています。
治療をお休みしなくてはならないことはありますか?
- 発熱や嘔吐などの体調不良時
- 口腔内に傷があるとき(抜歯などの歯科治療後も)
- 家族旅行や修学旅行など、日常と異なる行事がある時
※現在、スギ花粉症治療導入用の製剤が全国的に不足しています。通年性アレルギー性鼻炎の原因となるダニアレルギーを併発している患者さまにおいては、まずダニアレルギー治療から開始し、導入用治療薬が入手できたタイミングでスギ花粉症治療も並行することができます。
治療の流れ
初回治療は5月末から11月中に開始します。
- ① ご予約
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初回受診と2回目受診は、必ずご予約をお取りください。
- ② 受診(初回)
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初回の受診時には問診と診察、血液検査(原因物質の確定のため)を行います。
- ③ 初回終了
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診察が終わりましたら、受付で診察券を受け取り、お気を付けてご帰宅ください。
- ④ 2回目のご予約
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初回受診日から約1週間後に2回目の受診をご予約ください。
- ⑤ 受診(2回目)
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検査結果と治療薬の説明を行い、院内で初回の服用をしていただきます。最低30分は院内に待機していただき、副作用の出現の有無を確認しますので、時間に余裕のある日取りでのご予約をお願いします。
- ⑥ 2回目終了
-
診察が終わりましたら、受付で診察券を受け取り、お気を付けてご帰宅ください。
- ⑦ 製剤の継続
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3~5年ほど毎日(※)、製剤の舌下投与を継続します。
- 治療をお休みしなくてはならない日もあります。詳しくはこちらをご確認ください。