インフルエンザ
原因と症状
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで発症する病気です。主な症状として、発熱、のどの痛み、咳、鼻水、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感が挙げられます。ウイルスは低温で乾燥した環境を好むため、特に12月から3月にかけて流行します。感染経路としては、咳やくしゃみなどを介した飛沫感染、インフルエンザウィルスが付着した物を触るなどによる接触感染があります。
インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、風邪の比較
インフルエンザ | COVID-19 | 風邪 | |
---|---|---|---|
発症時期 | 主に12月~3月 | 一年中 | 一年中 |
発熱 | 微熱~高熱 | 平熱~高熱 | 平熱~高熱 |
悪寒 | 強い | 弱い | 弱い |
主な症状 | 発熱、のどの痛み、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、鼻水 | 発熱、筋肉痛、倦怠感、咳、痰、味覚・嗅覚障害 | 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、のどの痛み |
重症化 | あり | あり | ほとんどなし |
合併症 | 肺炎、気管支炎、中耳炎など | 肺炎、気管支炎、中耳炎、喉頭炎など | 中耳炎など |
原因ウイルス | インフルエンザウイルス | 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2) | ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど |
予防接種 | あり (効果は半年程度) |
あり | なし |
薬 | 抗インフルエンザ薬 | 一部の方にあり | 特効薬なし |
受診の目安と検査について
当院では、従来のウイルス同定迅速診断キットに加えて、AI搭載の画像診断システム「nodoca」を導入しました。「nodoca」は専用カメラで撮影した喉の画像と、体温や自覚症状などを併せてAIが解析することで、インフルエンザの診断を行います。
「nodoca」の特徴
- 痛みを伴わない検体採取(鼻の奥に綿棒を入れる必要がありません)
- 発熱後や喉の痛みなどの症状出現後間もなくから検査が可能
- 発熱後12時間以降の診断精度は従来の迅速診断キットとほぼ同等
- A型とB型の判別は不可能(治療薬はA型、B型共通です)
- 6歳以上で、10~15秒程度大きく口を開けていられる方が検査対象
- 従来の検査を必要とする方は、発熱後12時間以上を目安に受診してください。
治 療
発熱後48時間以内にインフルエンザと診断された場合は、抗インフルエンザ薬を使用することができます。
登園・登校の目安
幼児(保育園・幼稚園)
発熱期間 | 0日 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 | 9日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2日間 | ||||||||||
3日間 | ||||||||||
4日間 | ||||||||||
5日間 | ||||||||||
6日間 |
児童・生徒(小学生以上)
発熱期間 | 0日 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | 8日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2日間 | |||||||||
3日間 | |||||||||
4日間 | |||||||||
5日間 | |||||||||
6日間 |
:発熱 :解熱 :登園/登校許可
家庭で気をつけること
- インフルエンザウィルスにより異常行動が引き起こされることが知られています。不慮の事故を防止するため、特に発熱後2日間はお子様が一人にならないよう注意しましょう。
- 手洗い、うがい、換気を行い、家庭内感染を防ぎましょう。
- 患者様本人のマスク着用は感染予防に効果的です(ただし、2歳未満のお子様のマスク着用は勧められていません)。